結論から言うと、良いコーチとは
「自分のことを気にしてくれている」と選手が感じられる人です。
あなたがこれまでに出会った「良いコーチ」は、どんな人だったでしょうか。
サッカーに限らなくてもいい。学校の先生でも、職場の先輩でも構いません。
今から10年ほど前、僕はある指導者にこんな質問をした。
「この人は良いコーチだなって思われる人の共通点って、何だと思いますか?」
その方は元日本代表経験者で、指導者としても、解説者としても第一線で活躍されている人物だった。
当時所属していたクラブのアドバイザーをしてくださっていて、たまたま半日だけ、僕が運転係をする機会があった。
当時21歳。
今思えば、質問の質はかなり拙い。
もっと具体的に聞けよ、と自分にツッコミたくなるような内容だ。
それでも、その方はこう返してくれた。
「コーチ側が“良いコーチ”の定義を決めるのは難しいよね。じゃあ逆に、選手にとって良いコーチって、どんな人だと思う?」
立場が変われば、見え方も変わる。
指導者、教師、上司、先輩‥‥
誰かを導く立場にいる人なら、一度は考えたことがある問いだと思う。
そして、その方が話してくれた答えは、驚くほどシンプルでした。
「気にしてくれる人、だよ」
拍子抜けした人もいるかもしれない。
でも、自分が「教わる側」だった頃を思い出してみてほしい。
「この人、いい先生だな」「このコーチは信頼できるな」
そう感じた理由は、本当に「教え方が上手かったから」だけだろうか。
多くの場合、答えはNOだと思う。
結局、人は
- 自分を見てくれている人
- 自分の話を聞いてくれる人
そういう存在に、自然と心を開く。
それがつまり、「気にしてくれる人」なんだと思います。
当時も今も僕は、サッカーを始めたばかりの子どもたちと接することが多く、上でも中学生くらいまで。
だからこそ、その方はあえて、噛み砕いた答えをくれたのだと思う。
適度な距離感で、必要なときに背中を押す。
日常の中で、ちゃんと「気にしてあげる」。
それは育成年代に限らず、大人を指導する場面でも同じだ、とその方は言っていました。
実際、Jリーグレベルの選手を指導する中でも、うまくいかないケースの多くは、そこが疎かになっている時だそうです。
あの言葉を聞いてから、10年ほどが経った。
チームを離れていく選手、元気を失っていく選手を見るたびに、
「ちゃんと気にしてあげられていただろうか」そう、自分に問い直すようにしています。
中には「あいつはそういうタイプだから」と切り捨てる指導者もいます。
でも、少なくとも僕は、切り捨てた結果を、選手のせいにする指導者にはなりたくない。
まとめ
オチはもう出ています。
どんな関係性でも、良好な関係をつくるキーワードは一つだけ。
「ちゃんと、気にしてる?」
- 指導者と選手
- 教師と生徒
- 親と子
- 先輩と後輩
- パートナー同士
立場が違っても、本質は同じ。
今日、誰か一人でもいい。少しだけ、意識して「気にして」みてほしい。




