
(あくまでざっくりまとめです)
中井卓大(ピピ)は9歳でレアル・マドリードのテストに参加し、契約の可能性は「0.01%」と言われながらもクラブ史上初の日本人選手となった。
両親は緊張を避けるため、テストがレアルのものだとは事前に伝えず、「経験として楽しめばいい」と送り出していた。
母とともにスペインへ渡り、言葉や文化の違い、家族と離れた生活を乗り越えながら成長する。
外国籍選手としてFIFA規定による出場停止を何度も経験し、試合に出られない時期もあったが、サッカーをやめたいと思ったことは一度もなかった。
16歳でトップチームの練習に参加し、世界トップレベルの勝利への執念を肌で感じる。
その後はレンタル移籍を重ね、現在はレガネスでプレー。
チャンピオンズリーグ出場、日本代表でのW杯出場を目標に、今も挑戦を続けている。
9歳の子どもに「レアル・マドリードのテストだぞ」なんて言わなかった親の判断。
プレッシャーに打ち勝てる強い選手を指導者は求めますが、あえてプレッシャーをかけずにリラックスさせて試合に送り出すのも大人の努め、特に保護者の方には大事にしてもらいてい考えです。
僕が普段関わる小学生の選手は、「すごい大会」「大事な試合」「絶対に勝たなきゃいけない」って言われた瞬間に、体が固まり、普段通りではなくなります。
気をつけていても「今日は大事だぞ」「結果が出ないと…」って、つい言ってしまいます。
でも中井卓大は、父親の「楽しんでこい」「経験してこい」の声で普段通りのプレーできた。
もちろん大人からの声だけでなんとかなるものでもなく、中井選手のメンタリティあってのことなのは間違いありませんが、技術以前の話なんですよね。
もう一つ大事なのが、「帰りたいと思わなかった」 という言葉。
海外だから、レアルだから、特別に見えるけど、本質はシンプルで。
・サッカーが嫌いにならなかった
・続けられる環境があった
・大人が守っていた
これだけなんです。
小学生年代で、「この子は才能ある」「この子はない」なんて、正直わからない。
彼だけではなく、久保建英選手のときもそうでした。
でも、「やめそうな子」「自信を失いかけてる子」は、すぐわかる。
そこに手を差し伸べられるかどうか。
それが指導者も含めた大人の仕事なんだと思います。

あと、印象的だったのが「日本人のままでは勝てない」という話。
これは「小学生のうちからズルくなれ」って意味じゃないし、昔流行った日本解釈の間違ったマリーシアを身につけろという意味でもない
むしろ逆で、小学生年代では日本人の良さ(素直さ、真面目さ、礼儀)を守っていい。
「ずるく、悪く、何をしてでも」ではなく「ずる賢く、狡猾に勝利をまとめる現実を受け入れる」ということ。
勝負の“悪さ”は、あとからいくらでも身につく。
指導者としては良し悪しのバランス感覚を保ちながら「サッカーが好きでいる心、人としての土台」を伝えるのが一番難しい。もしかしたら不可能なことなのかもしれない。

指導者として、すごい練習メニューを考えるよりも、戦術を教えるよりも、
・萎縮させていないか
・楽しむ余白を奪っていないか
・「続けたい」と思える空気があるか
ここを一度、見直そう。
思い当たる節がたくさんある。
0.01%でも、続けられれば未来は変わる。
中井卓大選手の話から改めて育て方の話を考えていきたいと思います。



