フォーメーションについて
[2-3-2]のフォーメーションは、「中央を厚くしながら、攻守のバランスを学ばせやすい」配置として、多くの育成年代で採用される形です。
後方に2人、中央に3人、前線に2人を置くことで、ピッチを縦にも横にも使いやすく、ポジショニング・サポート・数的優位といったサッカーの基本原則を体感しやすいのが特徴です。
特定の選手に依存しにくく、チーム全体でプレーする意識を育てられる点は、技術と判断力を伸ばしたい小学生年代に非常に相性の良いフォーメーションと言えます。
特徴
・中央エリア(中盤)に3人を配置し、試合の主導権を握りやすい
・攻守共に「三角形」が自然に作られ、サポートの感覚が掴みやすい
・役割分担が明確で、ポジション理解を深めやすい
・基本配置がコンパクトなので“間延び”を防ぎやすい
一方で、サイドの使い方や前後の連動が不十分だと、単調な展開になりやすい側面もあります。

強み
- 中盤の数的優位を作りやすい
3人の中盤により、相手の2トップ・2センターに対して優位に立ちやすく、ボール保持が安定しやすい。 - 攻守の切り替えが早い
中央に人数が多いため、ボールを失った直後の即時奪回が行いやすい。 - 全員が攻守に関わりやすい
前線2人が守備に戻り、中盤が攻撃参加することで、全員サッカーを体現しやすい。
弱み
- サイドが手薄になりやすい
中盤両サイドがウイングバック的な動きができないと、相手のサイド攻撃に対応が遅れてしまう。 - 前線が孤立する可能性
中盤の押し上げが遅いと、2トップが孤立し、ロングボール頼みになる。 - 役割理解が浅いと機能しにくい
「誰が出て、誰がカバーするか」という共通理解がないと、中央が渋滞する。
攻撃の配置
パターン①:中盤起点でのビルドアップ型

配置と動き
・DF2人+MF中央が菱形を作る
・サイドMFが幅を取り、パスコースを確保
・FW2人は縦関係を作り、裏と足元を使い分ける
ポイント
・裏抜けも候補に持ちつつショートパスをつなぎながら、中央突破とサイド展開の両立。
パターン②:サイド展開からの厚みある攻撃

配置と動き
・ボールサイドのMFが外へ流れる
・逆サイドMFが中央に絞り、数的優位を維持
・FW2人+逆サイドMFがゴール前に侵入
ポイント
・クロスだけで終わらず、2列目・3列目の飛び出しを活かす。
・数的優位の構築に注目する。
守備の配置
中央を固めてコンパクトに
[2-3-2]フォーメーションの守備では、まず中央エリアを最優先で守ることが基本となります。
中盤に3人いる強みを活かし、相手に中央突破を許さない配置を作ることで、試合の主導権を握りやすくなります。
全体が縦・横に間延びしないよう、常にコンパクトな陣形を保つことが重要です。
前線2人の役割|奪うより「限定する」守備
前線の2人は、ボールを奪い切ることよりも、相手のプレー方向を限定する役割を担います。
中央へのパスコースを切りながらプレスをかけ、相手をサイドへ誘導することで、中盤や最終ラインが守りやすい状況を作ります。
無理な追いかけはせず、味方との距離感を意識することがポイントです。
中盤3人の役割|守備の要としてのスライド
中盤の3人は、[2-3-2]守備の中核です。
ボールの位置に応じて横だけでなく縦にもスライドし、常に数的優位を作る意識を持ちます。
誰かが前に出た場合は、残りの選手が自然とカバーに入る関係性を築くことで、中央の守備強度が高まります。
最終ライン2人の役割|背後とバランスを管理する
最終ラインの2人は、無理に前へ出るのではなく、背後のスペース管理とカバーリングを最優先します。
中盤がプレスに出た際には、その背後を素早く埋め、相手の縦パスや裏への動きに対応します。
ラインを高く保ちつつも、常にリスク管理を意識することが求められます。
チーム全体の連動|全員で守り、全員で攻める
守備は個人ではなく、チーム全体で行うものです。
「ボール・ゴール・自分」の位置関係を意識し、全員が同じ方向へスライドすることで、守備ブロックが機能します。
この連動が身につくことで、ボール奪取後の素早い攻撃への切り替えもスムーズになります。転じる。
活用するにあたっての日々の練習
- 3対2・3対3の中盤トレーニング
数的優位・不利を体感し、立ち位置とサポート角度を学ばせる。 - ポジションを固定しすぎないローテーションでトレーニング
中盤・前線・最終ラインを経験させ、全体像を理解させる。 - 切り替えをテーマにしたミニゲーム
攻→守、守→攻の切り替えを“早く・全員で”行う意識づけ。 - 言語化の時間を作る
「なぜその位置に立ったのか」「他の選択肢は何か」を問いかけ、判断力を育てる。
まとめ
[2-3-2]フォーメーションは、勝つための配置であると同時に、考える力・関わる力を育てるための配置です。
型に当てはめるのではなく、選手たちの成長段階に合わせて柔軟に運用することで、8人制ならではの育成価値を最大化できるでしょう。




