レアル・マドリーは、シャビ・アロンソ監督の退任と、後任にBチームを率いてきたアルバロ・アルベロア監督を昇格させる決断を下した。
クラブのレジェンド同士によるバトンタッチという形ではあるが、その内情は決して美しい物語だけではありません。
就任1年目で訪れた評価の分かれ道
レヴァークーゼンで無敗優勝という歴史的成果を残したシャビ・アロンソは、満を持してマドリーの指揮官に就任。
シーズン序盤は公式戦でほぼ完璧なスタートを切り、「新時代のマドリー」を予感させる内容だったのも事実。
しかし、時間が経つにつれて成績は下降線をたどる。
怪我人の続出、メンバー固定の難しさ、思うように進まない試合内容――これらが重なり、クラブ内部では徐々に不安が広がっていった。
決定打となったのは、スーペルコパ決勝でのクラシコ敗戦。
表向きは「双方合意による退任」とされたが、実態はクラブ側の判断による「事実上の解任」と見るのが自然だろう。
本当にシャビ・アロンソだけの問題だったのか
今回の決断を巡って、多くのファンが疑問を抱いているのは「フロントの姿勢」だ。
補強面での後手、主力の離脱が相次ぐ中でのサポート不足、そして現場への十分な後押しがあったとは言い難い状況。
リーグ、チャンピオンズリーグともに優勝を狙える位置にいたことを考えれば、今このタイミングでの決断が最善だったのかは議論の余地がある。
「誰が指揮を執っても難しいチーム状況だった」という見方には、一定の説得力があるだろう。

アルベロア昇格が意味するもの
後任に指名されたアルバロ・アルベロアは、下部組織で確かな実績を積み上げてきた指導者だ。
規律を重んじ、前線からのプレッシングと縦に速い攻撃を志向するスタイルは、理論上はマドリー向きとも言える。
ただし、トップチームで即座に劇的な改善をもたらすかは未知数だ。
育成と結果を同時に求められるマドリーの指揮官という役割は、Bチームとはまったく別次元の重圧を伴う。
シャビ・アロンソの評価は揺るがない
今回の退任によって、シャビ・アロンソの指導者としての価値が大きく下がったとは考えにくい。
むしろ「クラブとの相性」や「タイミング」の問題が強く、他クラブで再び評価を高める可能性は十分にあります。
リバプールなど、彼の哲学がより活きる環境で再スタートを切ることが、双方にとって幸せな選択になるかもしれない。
レアル・マドリーはどこへ向かうのか
今回の監督交代は、単なる人事以上に「クラブの方向性」を問い直す出来事だ。
短期的な結果を最優先するのか、それとも指揮官とともに中長期的なチーム作りを選ぶのか。
もしこの路線を続けるなら、将来的に指揮を託せるのは、アンチェロッティやジダンのような“絶対的存在”に限られていく可能性もある。
シャビ・アロンソの退任は、マドリーが抱える構造的な課題を浮き彫りにした出来事だったと言えるだろう。



