JリーグはFC町田ゼルビアの黒田剛監督およびクラブに対し、「けん責(始末書を提出し将来を戒める)」という懲罰を科す決定を下しました。

問題とされたのは、
2023年頃から続いていた黒田監督の言動。
自らの意向に従わない選手やスタッフを「造反者」と表現する発言、練習中にコーチを大声で叱責する行為、さらには懇親会の場でのスタッフへの暴言などが確認され、不適切な指導と判断された。
日本サッカー協会は、これらの行為がJFA指導者規則や懲罰規程に違反し、選手やスタッフの尊厳を損なうものであり、リーグ全体の信用を傷つけたと指摘しました。
一方で、暴力行為は含まれていなかったことから、処分は最も重いものではなく「けん責」にとどまっている。
今回の処分で特徴的なのは、
監督個人だけでなくクラブにも同様の処分が科された点。
町田ゼルビアは、監督の言動を適切に管理・監督できておらず、内部通報体制や調査対応にも不備があったと認定された。
真偽は定かではないが、内部捜査に限定した監査が主だったもので「隠蔽行為」があったのではないかという指摘もされている。
加えて、クラブから発信された外部に対する「過度な誹謗中傷には法的措置も辞さない姿勢」にも賛否があります。
ともかく問題行為を把握できる機会がありながら是正できず、結果として外部通報に至るまで放置された点は、組織としての責任が重いと判断されたのである。
この一連の騒動に対するX(旧Twitter)上の反応は
「言葉の暴力もハラスメントであり、処分は軽すぎる」という批判的な声がある一方、「厳しい指導があったからこそ結果が出た」「勝負の世界では一定の厳しさは必要」と、黒田監督の指導スタイルを擁護する意見も見られた。
また、個人攻撃が過熱することへの懸念や、クラブの管理体制そのものを問題視する冷静な声も多かった。
近年テレビ業界で騒がれていたパワハラ問題と比較すると、今回の処分は軽いというのが世間一般の声です。
企業や教育現場では、言葉による威圧や継続的な精神的圧迫だけでも厳しい処分が下される例が増えている昨今。
そうした社会的な流れの中で見ると、スポーツ界、とりわけプロリーグの対応は、まだ過渡期にあるようにも映りました。
一方で、組織の管理責任まで踏み込んで処分が行われた点は、現代的な問題意識に沿った判断だったと言えるでしょう。
背景にあるのは、「昭和型指導」と「現代的マネジメント」の価値観の衝突
昭和型指導は、上下関係と厳しさを軸に、恐怖や圧力で統制を図る。
一方、現代的マネジメントは、対話と信頼を重視し、人の尊厳を守ることが成果につながるという考え方に立脚している。
時代が進むにつれ、成果だけでなくプロセスや人権への配慮が強く求められるようになった。
今回の騒動は、単なる一監督の問題ではなく、日本サッカー界全体に「勝利や結果のためなら何が許されるのか」という問いを突きつけている。
指導の厳しさとハラスメントの境界線をどう引くのか。
その答えを更新できるかどうかが、これからのスポーツ界の信頼を左右することになるだろう。



